1999年の映画マトリックスを観たことありますか?
劇中、赤い薬と青い薬のシーンを忘れる人は殆どいないでしょう。青い薬(Blue Pill)を選ぶなら、今まで何となく感じた不自然を全て忘れ、“真実”の中に生き続けます。もう片方の赤い薬(Red Pill)を選ぶなら、“現実“の残酷さや深さを潜れるようになれます。
主人公ネオはモーフィアスの警告を受けたものの、迷わずに赤い方を選びました。そして、もし今モーフィアスがあなたにこの質問を問うなら、あなたはどう答えますか?
大勢の人はネオの出来事を見て、魅了されたので、きっと“赤い”と答えるでしょう。しかし、赤いを答えた人々は果たして、この選択肢の意味を看破しているでしょうか。
この質問の真の意味
簡単にまとめると、赤い薬を選ぶことは苦難の道を選ぶことと同様です。そして、青い薬は、いままでの”幸せな日常生活”が続くことを選ぶことです。
なぜなら、ルール、規則のあるシステムと違って、真実は常識離れ、保証のない時空です。マトリックスの現実世界では人類は存亡の危機に攻められ、不安と恐怖の日常を送っています。それと比べ、マトリックスの中では、人は安定しているシステムの中に暮らしていて、なんの不安も不自由もなかったのです。これを聞き、果たして、あなたの答えはどう変わりますか?
この質問の本当の答えは、すでにあなたの行動によってあなたの日常生活に表現されていました。
今この場で自分の内心に聞いてください。
”あなたは友人、同僚、上司、会社、あるいは、社会の指示に従って、なにも考えずに行動していますか?”
大勢の人から”YES”を頂くことになるでしょう。その通りです。我々はこの巨大なシステムに”訓練”されてきました。従順に言われた通りに任務、仕事を果たせば、必ず報酬をもらえます。そして、その報酬によって、好きなものを買い、欲が満たされて、”幸せ”を感じます。
マトリックスの世界では、裏切り者のサイファーも初めは中途半端な覚悟で赤い薬を選びましたが、“現実“を見て、後悔しました。偽物とは言え、マトリックスの中での生活は楽です。システムから与えられた安定感により、日々に恐れることもなく、裕福な生活を送っています。こう考えると、サイファーの裏切りも、理解できないことではありません。
果たして、我々の世界では赤い薬を選ぶ人間はいるでしょうか?
赤い薬を選ぶ人は少なくないと思いますが、歴史上に名を残せることが少ないでしょう。
釈迦を例にして、釈迦と弟子が“真実“を求める道を選びました。しかし、釈迦だけ仏になって、弟子たちの名は殆ど歴史から消えました。“真実“を求める道は残酷です。釈迦は地位、財宝、美女、美食の何もかもを捨て、困難の道を選びました。その覚悟は半端ではありません。
しかし、他人、システムに支配され、偽りの幸せの中に生きる事は本当に幸せでしょうか?マトリックスの世界では、システム内の人間は結局機械の電池に過ぎないのです。いわゆるいくつなくしても痛くない消耗品です。そして、何よりも、”悔いのない人生を送った”と言えるでしょうか?何十年も同じ生活を送って、逃げるばかりの人生には本当に幸せがあるのでしょうか?
どの道を歩むか、決めるのはあなただけです。
赤い薬を選ぶ行為は真実を知るために苦難な道を選ぶことです。この道は失敗と暗闇に満たされ、苦痛をもたらすであろう。この道を歩むには強い精神と勇気が必要です。
そして、その反対の青い薬は何も知らないふりをして、安定で満足感のない人生を送ることです。人それぞれ違いますので、結局どちらの道が正しいかを言い切れません。
さて、もう一度問おう、あなたのなら、赤い薬か、青い薬か、どちらを選びますか?